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2022/01/07 文部科学省への意見書提出

Updated: May 29, 2023



2022年1月7日、Voice Up Japan 高校生支部が「校則と制服に関する意見書」を文部科学省に提出しました。

今回は、高校生支部のメンバーが意見書提出にまつわる流れと、その間考えたこと、感じたことなどを記事としてお伝えしていこうと思います。

Voice Up Japan 高校生支部は、2021年の5月に立ち上がった支部です。「誰もが自分らしく生きられる社会」を目標に、設立当初は5人、そして半年たった現在、7人で活動をしています。


【意見書の内容】

まず、提出した意見書の内容と、その後の意見書提出までの経緯をお伝えします。

『高等学校における校則・制服制度の改善を求める意見書』では、主に3つのことを要望として提出しました。

  1. 校則について、生徒同士、もしくは生徒と教師で活発に意見を交換できる場の設置

  2. 校則改正プロセスの明文化の義務化

  3. 生徒の性自認や自己表現を尊重するために制服の選択肢を持てる制度の義務化

普段の学校生活の中で、校則について考える機会というのは、どれほど設けられているのでしょうか。また、校則を変更する際に踏まなければいけない手続きは可視化されているのでしょうか。

学校によって異なると思いますが、これらの制度がしっかりと成り立っていない学校は多くあります。

私たちは、合理的とは考えられない校則を名指しした上で改善を要求するよりも、これから高校生が高校生自身で改善できるような土台を作っていきたいと考えています。

その上で、意見交換の場の設置、改正プロセスの可視化、さらに制服の選択肢など、生徒が自由に行動できるような仕組みを望んでいます。

意見書の制作の際に、2021年6月にGoogle Formを用いたアンケートを実施しました。そのアンケートでは年代、地域、国公私立などの条件が様々な方311人にご回答いただき、その結果も意見書を作る際に参考にしました。

アンケートの中では、制服・校則に対する満足度の理由、または自分の考える必要な校則と廃止すべき校則なども質問として用意しました。回答を見ていると、自分たちの想像しているよりも疑問を抱いている生徒、辛いと感じている生徒が多かったことがわかります。

(下記リンク10ページ目より参照)



【意見書の制作過程に関して】

この意見書にまつわる活動は、高校生支部立ち上げ当初から始まっていました。

メンバーの中にも中学、高校在学中に不合理な校則に生活しづらさを感じた生徒が数人いました。

例)髪型の指定、下着の色の指定、そして学校に持ち込める物(スマホ、水筒など)の制限。

これらの校則における制限などに疑問を感じ、2021年6月からアンケートを取り始めたことで、さらに自分たちの学校だけではない学校の校則・制服制度に関する現状を知ることができました。

教育機関、特に公立の学校に通っている場合、校則・制服制度というものは生徒を傷つけるものであってはいけないはずです。

それなのに傷ついている生徒、友達がいることをみて、メンバーもこの問題が重要なものであることを認識し、行動を起こそうと考え始めました。



【高校生支部としての思い】

私たちは、文部科学省に意見書を提出してすぐに結果が出るとは考えていません。今までも同じような趣旨の意見書は何回か出されていますし、すぐに結果が出るようなら数年前に今の制度は変わっているはずです。

ですが、高校生自身としてまずは学校の外で声を上げることが大切なのではないかと思い、文部科学省に意見書を提出することに決定しました。

上記のような校則は、その人が快適に過ごすための弊害となります。自分の好まない姿で勉強に集中できるのでしょうか。また、自分の心にあっていない制服を着て、学業に集中できるのでしょうか。

校則も人の権利を侵害するものとなり得ますし、それと同じく制服も侵害につながります。

なぜ、ヘテロセクシャルの人々と同じように快適に過ごしてはいけないのでしょうか。性別に関係なく、ズボンを履きたい女性も多くいます。女性に限らず、なぜ自分たちの着たいものを着ることができないのでしょうか。

(そう言った話をすると、「そもそも制服が必要なのか」と言った話にもつながります。この話題について高校生支部で話し合った際、制服が不必要な理由もたくさん出た中で制服が必要となる理由も幾つか出てきました。それらの理由について話し合うことももちろん重要なことですが、とりあえず今は制服の有無について考えるという大きいステップよりも、制服制度の中で自由を求めるステップの方を選ぼうと考えています。

これからの活動の中で、制服の有無についても考えていくようになる可能性はあります。)



【文部科学省からの反応】

文部科学省に提出した際に、30分ほど意見交換をする時間がありました。

その機会に、私たちの考えていることや、意見書の内容などについてもお話しさせていただきました。

まず文部科学省の方がおっしゃられたこととして、

  1. 教育現場の在り方として、文部科学省から何かを強制することは難しい

  2. 全国に何十万人もいる教員の意識を一つにしなければいけない

文部科学省の方である程度のガイドラインを示したとしても、現場の判断が全国で一致するということは限りなく難しいことです。それを鑑みると、文部科学省からの通達のみで教員の意識を変えるのは難しいところがあるとの返答でした。

ですが、「伝統」の言葉一つで片付けられるような理不尽な校則があるという話の際には、そう言った理不尽な校則がまだ残っていることを認め遺憾の意を示してくださった上で、講演などの機会にはより強調して「説明できるような校則」を作っていってもらうように言いたいと述べてくださいました。

結論として、「意見書の内容は十分に理解できるところもあるが、義務として強制的に課すのは厳しい現状があり、通達や講演の中でより校則・制服について強調していきたい」というお話しでした。




高校生支部としての次のステップ】

文部科学省の返答は、意見書を出して進歩があったと思わせるようなところもあれば、進歩が見られないのかと思うところもありました。

ただ、この返答をもとに、学校内部から働きかけることの重要性を私たちは感じました。

意見書提出の次の活動として、高校生支部は自分の学校の校則・制服制度に疑問を感じている高校生と共に活動していきたいです。

自分の学校の制度を変えてみたいと思っている方、変えたいけどどうすればいいかわからないという方、そう言った方々とまずは話してみること。そして、高校生支部としてどうやって力を貸していけるのかを考えることが重要です。

もともと、高校生支部の目標の一つは「高校生が協力して社会問題の解決を先導できるようにエンパワーする」ことです。

高校生の意見をつなげ、一つの動きにしていくこと。高校生に意見を言う場所を提供すること。それをこれからの校則・制服プロジェクトの目標として、掲げていこうと思っています。

この意見書を作るにあたり、様々な方にご協力していただきました。

意見書に賛同していただいた方々を含め、

会見の際に同行していただいた方々、

お話を聞かせていただいた方々、

そしてアンケートに答えていただいた311人の方々。

他にも多くの方にご協力いただきました。

この場をお借りして、御礼申し上げます。ご協力ありがとうございました。

意見書提出という、貴重な経験を生かし、今後も「誰もが自分らしく生きられる社会」を目指すためにもまずは私たちにできることから、少しずつ歩みを進めていこうと思います。

最後になりますが、もし、自分の学校の校則・制服制度の改善に興味があるという方や、もう改善位向けて動いているという高校生の方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださるとありがたいです。

また、意見書・アンケート・そして意見書提出前に記したメンバーの意見書に対する思いが書かれているドキュメントのリンクを貼っておきますので、どうぞご覧ください。


意見書やアンケートをなんらかで使用される場合はvoiceupjapan.highschool@gmail.comか、InstagramのVoice Up Japan 高校生支部 (@voiceupjapan_highschool)までご連絡いただけると幸いです。


Voice Up Japan 高校生支部 一同

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