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2022/11/29 政治家対談Part. 3 むこう山じゅんさん(後半)

今回は、11月後半に行った向山淳さんとの対談の後半をレポートしていきたいと思います。ぜひ最後まで目を通していただけると嬉しいです。


向山さんのプロフィールに関しては前半の記事をご覧ください。




若者に政治をもっと身近なものだと認識してもらうためには?


まず聞いたのは、これまでの他の政治家の方々にも聞かせていただいている質問。

若い世代の投票率が高齢者の半分以下といわれる今、何が改善のために必要なのでしょう。

向山さんは3つの考えを教えてくださいました。



1 インターネットの利用


「ツールとして、もうちょっと政治がデジタルを使うとか若者にリーチできる方法を使うことはすごく大事かなと思っています。」


つくば市では2022年11月にオンライン投票を使った模擬選挙が行われました。そのように、オンライン投票が可能となれば若い世代も気軽に投票しやすくなるでしょう。投票所に行くハードルも下がれば、時間にも都合がつきやすくなります。


向山さんが実際に選挙に出てみて分かったことに、ツールの重要性がありました。いくら集会を開こうとおもっても、そもそも案内を紙で回していれば若い世代の注意を引くことは難しかったそうです。

「そういった部分でオンラインを活用できれば、情報も回るし、もう少し気軽に来れるようなフォーラムが開けるのではないか」とおっしゃっていました。


「ツールとか場所とかを用意、活用すれば若い世代ももう少し認識してくれると思います。」



2 人となりを知ってもらう


二つ目として、「政治家がもっと身近な人たちなんだってことを知ってもらう」ことの重要性が上がりました。


今の世間の政治の受け取り方を、向山さんはこう表しました。


「ベテランの政治家の方であればあるからこそ、すごい悪徳おじいさんみたいな、そういうイメージをテレビで持ってしまうかもしれない。でも、実際に話してみれば専門的な分野をよく知っている部分があったり熱い思いがあったり。体力、必要とされる知識、資金、どれをとっても、政治家になるより普通に就職した方がいい不合理な世界だけど、志の高い方々が集まっている世界でもあると思う」


もっともっと人柄を知ってもらい、交流を広げていくことがすごく重要だそうです。



3 政治を通じた成功体験


最後に、成功体験の重要性について。

日本とスウェーデンでは若い世代の政治への関心において大きな差があります。スウェーデンでは若者の投票率が8割以上のことも。


ただ、そういった国に比べて日本の若い世代への政治への関心は別段低いものではありません。一番の違いは、「自分が政治に影響力を持っているか」のアンケート項目でした。自分が一票を投じたら何か変わるとか、自分が提言をしたら採用された、などの経験はものすごく重要だと向山さんはおっしゃっていました。


何かしらで政治なりルールメイキングみたいなものに影響を与えた経験がある、それが体感としてもてる、っていう経験を作ることは重要なのかなと思っています。


結論として、若者に政治を身近なものと認識してもらうために必要なことは三つでした。

  1. ツールとしてのインターネット

  2. 人となりを知ってもらう

  3. 政治を通じた成功体験

ちなみに、生徒が校則改正プロセスに参加できないことが政治への関心が低いことに関係していると思うかという追加質問を伺った時はこうおっしゃっていました。


今の世の中の校則づくりのプロセスがどうなっているかに関しては実態を全て把握しているわけではないですけども、

校則みたいな実際の仕組みのルーツを自分で変えられる経験を持つということは政治に関する理解を深めるための一つの手段だとは思います。



校則の今の一番の問題点とは?


二つ目の質問として、校則にもう少しフォーカスを当てた質問をしてみました。

向山さんが強調されたのは、「ルールが正しいかどうかを考えることもなく従わなければいけない前提」が解決すべき課題であるということでした。


必ずしもルールってGiven(前提条件)ではないと思いますし、時代に応じてとか解くべき課題、目的に応じて変わっていくものだと思うんですよね。


向山さんがハーバード大学院に留学なさっていたときに使用したおむつ変え台や授乳室は、もともと大学院に設置されていたわけではありません。何年も前に子供を持つ大学院生たちが集まって、大学側に何度も提言を繰り返したからこそできたものだそうです。


昔は女性がほぼいない世界だったハーバードでも子供のいる学生が増えてきて、自分の学習の機会を損なわないためにデータや数字を駆使し説得を繰り返していました。その結果として、署名も集まって変化が成し遂げられたのです。

向山さんは、「あるべき姿のために変えたいという気持ち」が一番大事なものだとおっしゃいます。


今、やっと「ブラック校則をなくそうプロジェクト」などを皮切りに校則にも理不尽なものがあると認識されるようになりました。

世の中のあらゆるルールだったりだとか決まり事について、変えた方がいいんじゃないかと疑問を持つことと、疑問から変えるための方法を考えることはすごく大事なことです。



これからの世代の若者に求めていること


自分でつくる未来


最後に、これからの世代の若い世代に何を求めているのかを聞いてみました。


「今本当に思うのは、政治とか経済に興味を持っているものであればあるほど、少子高齢化が大変だとか日本のジェンダーギャップは永遠に変わらないなとかなんか景気良くならないとか結構悲観的なニュースを見ると思うんですよね。」


ですが、向山さんは未来の結果は自分の行動で変えることができると信じていると言います。何も行動を起こさなければ悲観的なニュースは変わらないかもしれませんが、若ければ若いほど未来の結果を変える可能性を秘めていると。


私が若者の皆さんに求めることとは、「大人たちが悲観的なシナリオを出したとしてもそれは大人たちが言っていることであって、自分たちの未来は自分たちが行動することで変えられるのだという気持ちを持って行動してもらうことです。」


そうすれば政治、ビジネス、あらゆる分野で自分で未来を作っていけるのではとおっしゃっていました。


違う視点も考えてみて


最後に向山さんはこんなことも伝えてくださいました。


変えたいという意識や、未来や社会に貢献していくという気持ちが強い方達には、なかなか変わらんなと思っても諦めないでほしいということ。

あらゆる場面で必ずサポートしてくれる人はいるということ。

そして、詰まったなと思ったら日本から出て、外を見ると解決したりするかもしれないということ。


留学する、とまで言わずとも自分が今いる学校の外のコミュニティに身を置いてみたり、自分が当たり前だと思っている状況から少し視点を変えてみるだけで、考え方に幅は生まれてくるのではないでしょうか。


向山さんが留学した時、「子供を育てることも大切なお仕事」「(子育てしながら留学なんて)旦那さん理解あるね」などと言われたそうです。でも、もし留学するのが男性だとしたらそのようなことを言われたでしょうか?


アメリカに行ってみれば大学でも子供を連れてきて当然の社会で、日本で感じていた閉塞感にも変化がありました。その意識の変化を日本に持ち帰ることもできるし、他の場所に行くことで逆に日本の良さに気づくこともできます。


ちなみに、補足としてアメリカでは保育園の月額が日本の家賃よりも高いことや、夜転んだ子供を病院に連れて行けばそれだけで100ドルかかることなどもおっしゃっていました。つまり、アメリカでは裕福な家庭はある程度のサポートを受けられるけれども、そうでなければ苦労することが非常に多いということです。


そうした点では、いかに日本の子育てのためのシステム・サポートが税金で賄われているのかが分かったと言います。


自分の置かれた状況が当たり前だったのかどうかを、違う視点から考えてみるのはすごくいい経験になると思います。



終わりに


インタビューをした高校生支部メンバーは始まる前はかなり緊張していましたが、それでも、いざ話し始めると向山さんがとても親切に答えてくださりありがたかったです


私たちの置かれた環境が当たり前かどうかを確かめるには、他の環境について知らなければいけません。留学に限らず、世界のランキングを面白半分に眺めてみるとか、他の国について調べてみるとか、そういったことでも気づけることはあるんだろうなと感じました。


あらゆることに疑問をもつことや、政治的な成功体験を持つことなど、自分たちが大切だと思っていたことを改めて、より明確に、丁寧に言語化してくださいました。

話している間、インタビューした私たちにも新たな発見が多くありました。これからの日常生活に今回のインタビューで得たことを生かしていきたいです。


以上、向山さんとの対談内容でした。3回目の対談でしたが、とても楽しい体験となりました!

高校生支部はこれからもたくさんの政治家の方々と対談を行なっていきます。インスタグラムでは質問も募集中ですのでぜひお気軽にDMなど送ってください!


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