2023/02/17 政治家対談Part. 4 まつば多美子さん(後半)
- 高校生支部 Voice Up Japan
- May 29, 2023
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こちらの記事では2月中旬に行った公明党の松葉多美子さんとの対談をご紹介します。
対談の後半では、政治や高校生の立場に関してのお話を伺いました!

若者に政治をもっと身近なものだと認識してもらうには?
まずは、若者、高校生などに政治をもっと身近に関してもらうために、どんなことができるかについて。
松葉さんは、身近な問題や課題に関しての素朴な疑問を大事にしてもらいたい、と話します。
以前、男女平等参画推進総合計画を新しく改訂するための会議があった際、痴漢対策を入れてほしいという要望が高校生、大学生から上がりました。その高校生や大学生には痴漢にあった友人がいて、その友人も痴漢にあった理由もわからず、傷つき苦しんだといいます。
女性に対して卑劣な痴漢という犯罪を犯す人がいる社会。そしてそういった犯罪者を撲滅できない社会。
松葉さんが受け取った要望はこんな社会を変えたいという意見のもと、推進総合計画に痴漢対策を位置付けるべき、という内容だったそうです。松葉さんも委員として取り組み、総合計画に痴漢対策が取り込まれました。
また、2005年に女性専用車両がつくられ始め各社に段々と普及し、都営地下鉄の中で都営新宿線に女性専用車両が設置されました。その後、他の都営地下鉄にも女性専用車両を設置してほしいという声が長らくあり、ようやく今年1月(2023年1月)から都営大江戸線に女性専用車両が採用されました。
実際に松葉さんに痴漢対策の話を持ちかけた方々はこうした成功体験を得ることはとても価値のあることで、身近な問題を投げかけることで変化を生み出せたことには大きな意味があったと、おっしゃっていたそうです。
身近な問題に疑問を持ち、「こう変わればいいのに」と思うことがとても大切で、さらにそれを少しでも口にすることによって、実際に変化、もしくは変化へのきっかけを生み出せるかもしれません。そういった疑問や実感を大切にしてほしいと、松葉さんもおっしゃっていました。
身近な問題について、「どうして?」「こう変わればいいのに」という疑問などを持ち、大切にしてほしい。 そして、行動を起こすことによって、変えることができたという実感を持ってもらいたい。
高校生の政治への関心や参加が低いのは学校での成功体験が少ないから?
次にお聞きしたのは、高校生の政治への関心や参加が低いことの原因です。生徒が校則改正プロセスに参加できないことや、意見を尊重されにくいことなどの、成功体験の少なさは、政治への関心・参加に関わっていると思うか、という質問でした。
この質問に対して、松葉さんは、「ぜひ高校生の意見を伺いたいです」と最初におっしゃいました。
おそらく関係しているのだろうけど、他の要因についても若い世代の人から学んでいきたいとのことでした。
それに加えて、松葉さんは高校生の現状をこう語ります。
関心は高いけど、自分が影響を及ぼせるかと聞かれれば、「No」が多くなると思います。 ただ、1人の意見、1人の視点はとても大事なんです。
一人一人が、政治に関してどう感じているのか。
「ここはどうなのか」「ここはまだ足りないんじゃないか」などの意見がすごく大事で、それが社会を動かす根幹になっていると。
1人の意見で何か変わるのかという意見もあるけど、1人の意見がなければ何も変わらないということも本質で。 だからこそ1人の声、1人の意見ってすごく大事だと思っています。
東京都の全都立高校は、2021年9月から生理用品を高校の女子トイレに置き始めました。これは、生理の貧困に関して「困っている」という声が多くなり、それに関しての話を松葉さん達が実際に討論したからこそ起こった変化でした。
生理の貧困 -金銭的な事情などで生理用品がなかなか手に入らないこと- に実際に直面している人たちも多くいます。松葉さん自身は、最初生理用品が学校に置いてあることをイメージできなかったのだとか。
しかし、意見を聞いていく中で、トイレに生理用品を置く必要性をどんどん感じていき、トイレットペーパーと同様に設置されていることの重要性を見出していきました。
これは、実際に困っている人の声を聞かなければ気づくことのなかった問題だったとおっしゃいます。
1人が意見を発することで「私もそう思ってた!」と共感が広がっていき、そこから社会が動き、政治、行政が動いていくということは多々あるようです。
校則の今の1番の問題点とは何か?
東京都では、こども基本条例の制定を通し校則に関して「教職員と生徒が話し合うように」という通達を出しました。それに応じて、各学校で話し合いの場ができていきました。
このこども基本条例では、「子供の最善の利益の確保」という言葉が出てきます。
この最善の利益が一体何なのか。そして、一つの校則がどう最善の利益に繋がっているのか。
これは、自分でも考えなければいけないですし、生徒どうしが議論することが一番重要だと思います。
学校の先生にも、それぞれが考える「子供の最善の利益」があるはずです。それを達成するために、今までも校則がある程度使われてきました。ですが、松葉さんは、それが子どもにとって「最善」なのかに関しては、子ども達自身に聞かなくてはいけないことだと語られます。
また、東京都ではこども基本条例という形である程度の基礎ができましたが、それがどのように一つ一つの学校で使われていくかに関しては今後も注意していく必要がある、とおっしゃっていました。
これからの若い世代に何を求めるか。
今の世代には、「多様性」が認められる社会を作ることが課されていると思う、と松葉さんはおっしゃいます。
東京都パートナーシップ宣誓制度も2022年11月から東京都では施行され、平等なサービスが受けられるように変化しています。
どういう選択をしても充実した生活ができるような社会を、私は皆さん方の世代に残したいと思っています。
その上で、松葉さんは若い世代に「どういう未来を残していくか」を考えていくようになってほしいと語ります。
自分たちが悩んでいることなどを、次の世代にそのまま残さないようにする。そのために、今何ができるかを考えて行動していくような人々になってほしいと。
これからの子供達の世代、孫達の世代に幸せに生きてほしいというのが一番の願いですし、そういう思いがつながっていくということが、私としては願っているところです。
その世代世代にしかできないことがあるからこそ、若い世代には「若い」からこそ使える力を使っていってもらいたい。そのために、議員として道を開いていきたいと考えている、とお答えいただきました。
終わりに
ということで、以上松葉多美子さんにお話を聞いたまとめとなります。
すでに4回目となる政治家対談ですが、何回やっても緊張感は拭えないです…。ですが、今回もとても興味深いお話をたくさん聞くことができました。特に、自分たちの声で実際に社会の仕組みが変わった部分、に着目できた回だったかなと感じます。
私たちは改善したい部分を意識することが多いですし、それは決して間違ったことではないはずです。改善したい部分だと認識することが改善への第一歩ですから。それでも、毎回改善したい部分に目を向けているばかりではなく、たまには実際に何が達成されたかに目を向け、それを自信や期待に繋げることも大切です。それに気づくことのできた対談でした。
そして、対談の最後の方で、その世代世代にしかできないことがある、ということを高校生支部に関しても触れながらお話していただきました。
松葉さんは、Voice Up Japan高校生支部も今いるメンバーが卒業した後、また次の世代が意思を持って継いでいって、どんどん団体が成長していく、そんな可能性に溢れていると語ってくださいました。
私たちも、今の社会をどうしたいかについて考えることはよくあっても、未来の社会をどうしたいか、未来がどうなっているか、について深く話したことはあまりありません。そういった未来のことにも目を向けて、「誰もが自分らしく生きられる社会」に向かって進んでいきたいと心から感じました。
以上、松葉さんとの対談内容でした。
高校生支部はこれからもたくさんの政治家の方々と対談を行なっていきます。インスタグラムでは質問も募集中ですのでぜひお気軽にDMなど送ってください!
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